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講師 澤 広太

【研究紹介】講師 澤広太― VRを活用した認知課題研究

教員

理学療法学科
講師 澤 広太

#理学療法学科  

SBC東京医療大学 理学療法学科には、多彩なキャリアを持つ教員が集まり、日々最先端の研究に取り組んでいます。

こうした環境に在学することで、学生は最新の知見や多角的な視点に触れ、理学療法士としての将来像をより広く、より具体的に描くことができます。多様な研究の世界に触れる体験は、自らの目標を高めるきっかけとなり、未来を切り拓く力となるはずです。

病院だけじゃない!理学療法士の活躍フィールド

理学療法士は「病院だけの仕事」ではなく、スポーツ・地域・国際協力・研究など幅広い分野で人々の生活を支える存在です。研究を通して、自分の知らなかった将来の道が発見出来るのも、様々な教員が集まるSBC東京医療大学だからこそ出来る魅力。

ストループタスクとは?

ストループタスクとは、色と文字の情報が干渉する現象(ストループ効果)を調べる認知課題です。
例えば「赤」と書かれた文字が青色のインクで表示されたとき、答えるべきは「文字」か「色」かで回答者は迷い、反応に時間が掛かります。これは、色を答えようとする際に、視覚として形をまず認識してしまうことから、干渉される現象が起こるからです。
この色を答える課題行い正答率、反応時間などを指標に処理能力を評価することができます。

こうした認知課題は、認知症の診断や経過観察、注意機能の訓練など、臨床や研究の幅広い場面で活用されています。

ストループタスク

運動と認知機能はリハビリテーションにおいて密接に関わっています。
しかし「歩行運動中の処理能力にVRストループタスクがどのような影響を与えるか」は、これまで十分に明らかにされていませんでした。

澤先生の研究は、トレッドミル(ランニングマシン)上での歩行運動中に、VRを活用したストループタスクを行い、その際の脳の反応や反応時間を測定・評価するものです。

• ランニングマシン(トレッドミル)

• VRゴーグル(Meta Quest)

• 脳活動を測定する装置(NIRS)

こうした先端的な環境で、運動と認知機能の相互作用を測定しました。

この研究は、「歩きながら頭を使うとどうなるのか」を調べています。
具体的には、VRで「色と文字がちぐはぐな課題(ストループタスク)」を行いながら、ランニングマシンの上を歩いてもらい、答えの正しさや反応の速さを測定しました。

結果として、歩く速さを上げると答える反応が遅くなることが分かりました。
これは、体を動かすことに意識を使うと、考える力に割ける余裕が減るためだと考えられます。

日常生活でも「歩きながら考えごとをする」ことはよくありますが、この力が弱くなると転倒のリスクが高まります。

本研究は、SBC東京医療大学の学生との共同研究として進めらました。
学生が教員と共に実験・データ収集に関わることで、研究の最前線を体験し、若手研究者としての力を養う貴重な機会となっています。

研究中の様子

SBC東京医療大学の学生との共同研究

まとめ

今回の研究は、最先端の技術を活用しながら「運動と認知」の新しい関係性に迫るものです。

講師 澤 広太 先生

学位 博士(理学療法学)

資格
理学療法士 / 専門理学療法士(神経) / 認定理学療法士(脳卒中) / 認定理学療法士(補装具)

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